東京大学卒業式 〜人生のレールを乗り換えていくにあたって
東京大学を3月24日に卒業致しました!
その後海外旅行に行っていたため、更新とコメントへの返信が遅れている次第です
^^);
今回は、前半に東京大学の卒業時にやるべきこと、卒業式の状況などについてまとめ、後半に、大学を卒業するにあたって考えたこと、感じたことなどを書いていきたいと思います。
なので、東京大学の卒業式について知りたい方は前半を、いつものような文章を気に入って下さっている方は、後半から読んでいただければと思います!
—東京大学卒業式の手順や注意事項についてー
卒業式当日の流れに沿って、東京大学卒業時にやるべきことや注意点についてまとめたいと思います。
というのは、自分が卒業式にあたって、気になった疑問点を検索しても、意外とネット上に情報を見つけられなかったので、こういうのがあったらよいなということで作ってみました!
- 当日の服装
・女性は袴、男性はスーツの上にアカデミックガウンが多いです。
女性で袴の上からガウンの方もいましたし、私などは振り袖を着るのが嫌なので、女子なのにスーツとガウンでした!
・ガウンを着るタイミングは?電車の中でアカデミックガウン着ていたらおかしくないかな?個人的には気になりましたが、調べてもあまり分からなかったので困りました…(^.^);
袴を着る人は、本郷三丁目付近のどこかで着替えていた方が多いみたいです。ガウンは持っていって学内で着る人もいたようでしたが、私は家で着て、上からコートを羽織って電車に乗りました。
- 安田講堂での卒業式
・安田講堂講堂周辺は、当日すごく混雑し、講堂に入るまで並びます。
卒業生が安田講堂に入りきらず、あぶれた人が御殿下でパブリックビューイングをするはめになると、メディアで騒がれていますよね。講堂に入りたいのならば時間に余裕を持って行く方がよいです。
・では、並ぶ時間はどれくらいなのか、何分前に着けば入れるのか?自分にとっては1番欲しい情報でしたが、これもネットで見つかりませんでした。
結論としては、私は30分前に並びはじめ、1階に座れました!
ただ、赤門前や講堂前で写真を撮ったりして意外と予定より多く時間がかかったので、できるだけ余裕は持ったほうがよいです。
- 卒業アルバム受け取り、生協退会
・キャンパス奥の第2生協食堂に行きます。
・3階にあがり、申し込みをしていた卒業アルバムを受け取れました。
とにかくかさばって重いので、事前に受け取れる方はそのほうがよいです。
・1階では、大学生協の退会手続きをしました。
退会すると、出資金が返還され、1万6千円も受け取れました!これは嬉しいですね。
- 学位授与式
・卒業式の後は、各学科に分かれて学位授与式が行われます。学位記をひとりひとり前でもらいました。
・このときに、学生証を返還する必要があります。
・卒業証明書と成績証明書は貰えるので、気にしなくても大丈夫でした。
- 謝恩会
・あとは、学科などで行う謝恩会です。ここも服装が気になるところですね。
女性は袴のままの方も多いですが、長く着ていると疲れるので、ドレスに着替えてから出る方が多いです。男性はほぼスーツです。
以上、大雑把ですが、どなたか私のように困っている方の参考になれば嬉しいですね。
—大学卒業に際して:人生のレールを乗り換えていくにあたってー
後半は、東京大学卒業を控えたここ1ヶ月程で考えてきたこと、感じたことについて書いていきたいと思います。
まず、いざ卒業するとなったときに思うのは、自分はやっぱり東京大学が大好きなんだなということです。
テレビなどで、恋愛をしてこなかった東大生を笑いの種にする番組がありますが、私は、いってみれば東京大学にずっと恋をしていたのだと思います。
人としてそれはおかしいという意見もあると思いますが、自分にとっては、それで充分、恋愛の要素が足りていました。
高校入学当初から、目標として東大のことをずっと考えてきました。また、受験が近ずくにつれ、朝から晩まで東大のことを考えるようになりました。
その目標があれば自分は強くいることができましたし、毎日が満ち足りていました。
一浪して合格したときには、幸せがひたひたと、全身を満たしていきました。生きていてよかったと実感できました。
そして、入学後には東大は人生が変わるような成長をたくさんさせてくれましたし、常識とずれている自分でも心を通わせられる出会いと仲間をたくさんくれました。最後には、学外での素晴らしい出会いとも繋っていきました。
だから、私は東京大学が、本当に本当に大好きなんです。
しかし、同時に4年間をそこで過ごし、挫折も沢山経験すると、嫌なところもたくさん見えてきます。
古くからの伝統をもつ、アカデミックな世界。それは同時に視野の偏った融通の利かない世界でもあります。学問をして、全部を知った気になっても、それは古くてしがらみの多い、学問的な枠の中とその延長線上だけで、見たり考えたりしているにすぎないのです。
だから、理屈が現実社会から離れて、何の役にもたたなくなってしまうことも多くあります。
誰もが認める、世界的な大学。それは同時に、ブランドや権威に人が集まり、そういうものばかりに評価が行く世界でもあります。
最近世間では、起業起業と騒がれていますが、周囲はやはり国家公務員や有名大企業への就職が圧倒的に主流です。それか、あとは言わずもがなの研究者ですね。(ちなみに研究者については、これはこれで、修羅の道ですが…。)
そういうところには、本当に優秀な人が入っていきますし、よい仕事をしているところもたくさんあります。
でも、就職に際して、そこが本当によい仕事をしているのか、社会に貢献できているのか、自分の志と一致しているのか、そういうことを考えている人は本当にひと握りであるように思えます。
みんな、周囲に流されて何となく就活して、ブランドを基準に企業を選んで。内定を獲得したら、やれゴールドマンサックスだのマッキンゼーだのとひけらかしてよい気分に浸る。そういうところに内定した友人がいることで、自分もよい気分になる。就活生に関しては、そういう風潮が否めません。
本当に社会を自分がよくしてやるとか、なにか偉大なことを成し遂げてやろうとか、そういうことが優秀なわりに前面に出ていかなくて、安定した生活が送れればそれでよいのだと、そこで満足してしまう傾向が目立つ気がします。
本当に優秀な人ばかりだし、みんな努力家だし、意識が高い人も多いし、でもなんだかんだ枠の中に収まってしまって、本当に新しい可能性を開いていくような人は限られてくる。そのような現実があるように思えます。
でも、それは東大生だから悪いとか、そういうことでは全くないと感じます。みんなひとりひとり自分なりに人生頑張って生きていて、本当に尊敬できる人達ばかりです。 でも、社会は所詮人間の集まりで、人間には完璧な人なんて存在しなくて、集団心理でみんな何となく生きていてそういう風になっている、ただそれだけのことなんだと感じます。
そして自分はそんな社会の枠の中に上手く居場所を見つけられませんでした。そしてそういう現実にここ半年くらいで気づいていって、無理して合わせることに魅力も感じられなくなり、結果的に新しい方向に進んでいくことになりました。
それにより、これまでとは目指してきたものも、価値観も、徐々に変わっていきました。意図せずして、目指すものが変わったことで、付き合う人までも変わっていきました。
自分がこれまで絶対的に信じてきたこと、強く思い込んで身を捧げてきたこと、そういう事柄と離れていくことになりました。
そして、これまで尊敬して大好きだった人達との付き合いもどんどん減っていくことになりました。その人達を尊敬する気持ちに全く変わりはないのですが、ずっと一緒にいても自分のさらなる可能性は見出せないとわかっているから、離れていくしかありませんでした。それが無性に寂しくて悲しく感じます。
でも、寂しいからといって、そこでもう成長していけないのなら、新しい世界に進んで自分なりの可能性を切り開いていかなければなりません。
それが、人生の「レールを乗り換えていく」という事なんだと思います。
それは、既存の価値観に捕らわれて、身動きが取れなくなり埋もれてしまうよりも、ずっと大事な選択だと考えます。
そして、寂しくても、名実共に、大好きな東京大学を卒業していかなければならないのだと思います。
いよいよ、4月から新しい生活がスタートします。
ビジネスも、ベンチャーも、ITもエンジニアリングも、自分がこれまで勉強してきたこと、自分が仕事として携わっていきたいと強く執着してきたこととも全く違う世界です。
でも、ここからようやく周囲と同じように、エリートコースを走るのではなく、オンリーワンの自分の人生を生きていけるのだと思うと、すごくわくわくした気持ちが湧いてきます。
これから、ひとつひとつ困難を乗り越え、社会人として自立した、新たな自分になっていきたいです!!